第93回「慢性炎症」

おはようございます🌞
今日も皆さまにとって健康で幸せな日でありますように✨

本日93回目のtsunaguは「慢性炎症」についてです。
先週92回目の内容で「慢性炎症」が病気予防に関係しているとお伝えしましたが、大切なことですので詳しくお伝えします。

生活習慣病やがんを含む加齢関連疾患に共通するメカニズムとして注目されているのが「慢性炎症」です。その特徴として、「老化」に伴って慢性炎症が起きやすくなることが挙げられます。近年の研究で、この老化と炎症をつなぐメカニズムが明らかになってきています。

老化に伴って慢性炎症が起きやすくなる背景としては①免疫の変化②細胞の老化③全身的な要因、の3つの要因が寄与していると考えられています。
③全身的な要因というのは、加齢に伴う全身的な代謝や内分泌系の変化も、炎症を促進する可能性があります。例えば、閉経などによるホルモン濃度の変化によって慢性炎症が誘導されることがわかっているそうです。

また、肥満は内臓脂肪組織を始めとして様々な組織に炎症を誘導することもわかっています。加齢により、本来脂肪をためておく場所である皮下脂肪の機能が低下し、皮下脂肪の量が減ると、行き場所を失った脂肪組織は内臓脂肪や本来脂肪が蓄積しない組織(肝臓、筋肉、骨髄など)に蓄積するようになります。
すると、皮下脂肪以外の場所に蓄積した脂肪は、その組織で炎症を誘導することが明らかとなっています。

このように、加齢に伴う様々な要因が、「慢性炎症」を引き起こしているのです。40代後半から50代にかけて急激に病気が増え始める背景には、症状として現れない「慢性炎症」が関与していたのです。

慢性炎症が起きると老化が慢性炎症を起こし、慢性炎症がさらに老化を加速させるという負の連鎖に陥ってしまいます。

ある場所に慢性炎症があったとしましょう。例えば「歯周病」は、歯周組織における歯周病菌の感染で発生する慢性炎症です。そこで産生された「炎症性サイトカイン」と呼ばれる炎症シグナルは、血液や血管を介して他の臓器へと影響します。
具体的に、歯周病による炎症は、血管の炎症を引き起こし、動脈硬化を促進すると言われています。

20〜30代では周りはみんな同じような体型・肌のつや・健康状態をしていますが、80歳になると元気な人から寝たきりの人まで病気の有無・認知レベル・活動範囲などのどれをとっても個人差はとんでもなく広がります。これは、慢性炎症をはじめとする体を蝕む反応を日々どれだけ抑えてきたかによって、長い年月をへて大きな差として現れるからです。
何にでも当てはまることですが、小さな努力は、すぐに実感できるような大きな変化をもたらしません。しかし、大きな変化とは、あくまでも結果であり、その結果に至るまでの毎日の地道な努力の積み重ねが、将来の自分を変えていけるのです!このことを認識して気長に慢性炎症に取り組む必要があります。

炎症を抑えるものとして注目を浴びているのが「オメガ3 多価不飽和脂肪酸」です。
魚の油に豊富に含まれる「EPA」や「DHA」などのオメガ3は、炎症を抑制する効果があると明らかになっています。
明確なメカニズムは研究段階だそうですが、心臓病の発症を抑制したり、リウマチ症状を改善することなどが証明されており、その効果が期待されているそうです。

慢性炎症は年齢とともに起こりやすくなるため、生きている限り細胞機能や臓器機能の低下はまぬがれません。しかし、それを軽減することはできますし、ゆるやかにすることはできます。それには抗酸化作用のある食べ物を食べて、老化をゆるやかにする為に身体に必要な栄養素を摂り入れてあげたり、運動をしたり、小さな努力が後の大きな変化を生むことになります!
今日も素敵な日々を✨